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天空率

2015.03.29

最近、『天空率』を使う現場がありましたので、天空率について書いてみます。
建物の設計をする場合、間取りや外観などはもちろん大切なのですが、その他にもいろいろと検討する要素がありまして、「建物の高さ」もその1つです。
当たり前のことですが、敷地に建てる建物は、好きな高さに建てられる訳ではありませんよね。
建築基準法という法律の中で、建物の高さについても決められていて、その範囲内で建物を設計する必要があります。
通常、建物の高さは道路斜線、隣地斜線、北側斜線等の項目に縛られているのですが、高さを検討する別の方法として定められているのが『天空率』という考え方です。

例えば、道路斜線と天空率。

道路斜線というのは道路の幅によって建物の高さを縛る項目です。
狭い道路の両側にめちゃくちゃ背の高い建物が建っていたら、道路は暗くなるし、圧迫感もすごいし、住環境がとても悪くなってしまいますよね。
なので、道路の幅に応じて建てられる建物の高さ(数式)が決められていて、通常これを『道路斜線』と呼んでいます。
設計している建物の一番高いところが、道路斜線で決められた高さ以下になっていないと法律違反となり、建てることができなくなってしまいます。
建物を出来るだけ大きく設計したり、デザインで屋根の形状にこだわってみたりといった際に、道路斜線が影響して思う様に設定できないこともしばしばあり、なかなか悩ましいところなのですが、この悩ましい道路斜線に引っかかっている建物を『天空率』という考え方で法律に適合させることができる場合があります!

『天空率』は、その名前のとおり「空の割合」を検討する方法です。
例えば、敷地に建物が1棟だけ建っている状況を想像してみて下さい。
ある地点から建物を見ると、建物が見えて、その周りには空が見えますよね。
法律(道路斜線等)で決められた最大の高さの建物を敷地の幅いっぱいに建てた場合に見える空の面積と、設計している建物(道路斜線の高さよりも高い建物)が建った時に見える空の面積を比較して、設計している建物が建った時に見える空の面積が大きければOKという考え方です。

こだわり抜いて計画した建物が道路斜線に引っかかってしまい建てられないといった場合に、天空率で考えると法律に適合させることができるかもしれません。
もちろん、極端に背の高い建物は天空率で考えてもやっぱりダメなのですが、一部分だけが高くなっていたりする場合には検討する価値はあるかと思いますよ。

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