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育てる家

瀬戸市の丘陵地に建つ、5人家族が暮らす住宅です。

設計を進める際のご要望として、次のような項目がありました。

 ・高断熱・高気密の家にしたい。

 ・将来親と同居する可能性や子供が自立することも考えて、可変性のある家にしたい。

 ・動きやすいプランで、収納量の多い家にしたい(ファミリークローゼットも設けたい)。

 ・洗濯物は主に室内干しとしたいが、外でも干したい。

 ・建物はブルックリン調でコーディネートしたい。

敷地は300㎡と十分に広く、南側も駐車場となっており日当たりは良好。色々なプランが考えられる中、南に大きく開きつつ動線に工夫を凝らした案が採用となりました。

その動線ですが『来客用動線』、『キッチン動線』、『家事・生活動線』の3つに分かれています。来客動線は玄関から直接LDKに繋がっているため、生活感を見せることなく来客者を案内することができます。キッチン動線は玄関からパントリーを通ってキッチンへ抜ける動線で、買い物から帰った際に食品の収納がしやすいレイアウトとなっています。また家事・生活動線は玄関からLDKを通ることなくトイレ・洗面室や2階へ行くことができるため、来客中でも気兼ねなく生活することができます。家事・生活動線上には土間収納やファミリークローゼットなど十分な収納スペースも設けていますので、帰宅してからすぐに着替えてそのままリビングへ向かうこともできますし、1階を多動線とすることでグルグルと回れる『回遊性』が生まれ、行き止まりがなく広々と感じるスペースとなりました。

家事・生活動線の一番奥に設けた洗面脱衣室は4.5帖と広めの設定として室内干しも十分できるように配慮しています。また洗面室南西側の表からは見えにくい位置に外部物干スペースを確保し、洗面室からそのまま外干しもできるレイアウトとしました。

1階には将来増築用のスペースも想定してありますので、先々親と同居することになった場合にも無理なく増築することができます。将来子供が自立した場合を考慮して、2階に設けた子供室(3部屋)には可動間仕切壁を採用しました。間仕切壁を全開することで2部屋を1室として使えたり、3部屋を大きく1室として使うこともできます。

建物の断熱性については省エネ等級4(省エネの最高等級)を余裕でクリアできる程度の性能となっており、気密性についてはC値0.4㎠/㎡と良い結果になりましたので、エアコンなどの光熱費もこれまでに比較して抑えられるのではないでしょうか。

ちなみに作品名の『育てる家』ですが、気持ちの良い住環境でお子様を育てていくという事、それから可変性を持たせた家そのものを育てていく(状況に応じて手を加えていく)という事を想って決めました。

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