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日本の気候風土に最もふさわしい木造住宅を見直そう

2017.02.14

耐震性能が高い木造建築


 

日本では、欧州の建築が石造りであったのとは対照的に、古くから木造による建築でした。
豊富な森林資源があり、良質な木材が手に入るため、柱と柱の間を開け放つ開放的な空間をつくることが可能で、夏の蒸し暑い時期も過ごしやすいなど、日本の気候風土に適しているからです。
また、木造建築は本来、高い耐震性能があります。
奈良の東大寺大仏殿や木造の五重塔は、太い柱や梁が幾重にも組まれた建築構造で、地震や台風でもビクともせず、屋根以外の本体が壊れることはほとんどありません。
実は、昭和初期までの日本の木造建築は、東大寺大仏殿とほぼ同じ工法が用いられていました。
この「伝統木工法」は、構造力学ではラーメン工法と呼ばれますが、現在の建築基準法では簡単には用いられなくなっています。
現在の建築基準法では、木造建築のほとんどが「筋違い(すじかい)工法」を用いています。
これは、欧米の木造建築に見られる、補強のために部材を斜めに組み込むトラス構造を参考にしたものですが、日本の筋違い工法では、筋違い壁が部分的にバラバラに配置されているため、トラス構造にはなっていません。
そのため、大規模地震では一部の筋違い壁に地震の揺れが集中し、部材が壊れやすくなるデメリットがあります。
現在の筋違い工法が採用される際、学者による検討は行われましたが、木造建築の経験が豊富な大工棟梁の意見が取り入れられることはありませんでした。

 

 

耐震性に優れた伝統木工法の復活への期待


 

現在の木造住宅には、高い耐震性を持つ日本の伝統木工法は残念ながら引き継がれていません。
長い伝統の中で培われた伝統木工法は、現在の構造力学から考えても、非常に合理性があります。
筋違い工法は、木材を横方向に寝かせて重さに耐える土台をつくりますが、木材の性質は横方向からの力に弱く、土台が早期に傷む可能性があります。
一方、伝統木工法では土台に柱を載せず、柱を束石に直接載せて、建物上部の重さを地盤に伝えるようにします。
伝統木工法では耐震のために、すべての建築材料で重さを支える“総持ち”と呼ばれる考え方を取り入れているのです。
現在、一部の良心的な学者や建築構造の専門家から、伝統木工法の復活を望む声が高まり、行政当局も復活に向けた検討を行っている段階です。
これからは、本来の木造住宅の良さを見直して、リフォームにも取り入れてはいかがでしょうか。

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