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地盤の補強

2015.04.23

先日、地盤の調査について書きましたので、今日は地盤の補強について書いてみます。

地盤調査の結果、建物を支えられるほど地盤が強くなかった場合には地盤を補強して強度を高める必要がでてきます。

通常、地表の近くには軟らかい層があることが多いのですが、深くまで調査を進めると地中のどこかで建物を支持するのに十分な強度を持った層がでてきます(これを『支持層』と呼びます)。

この支持層が地中のどのくらいの深さにあるかによって地盤補強の工法が変わってくるのです。

支持層は、地表から1・2メートルくらいの浅い位置にあることもあれば、10メートル以上深く調査しても見つからない(軟らかい地層がずっと続いている)こともあり、場所によって大きな違いがあるのですが、支持層の位置が深くなるほど補強工事も大がかりとなり費用も多く掛かってしまいます。

簡単に言うと、建物の基礎から支持層までの間にある軟らかい層を補強で固くするイメージです。

その補強の方法ですが、比較的浅いところ(表層から2メートル程度)に支持層がある場合には「表層改良」という方法が多く用いられます。

表層改良は、軟らかい層にセメント材を混ぜて、しっかりと締め固める工法です。

現場の土とセメント材をしっかりと撹拌することが重要ですので、表層から2メートルくらいまでの深さが限度になってきます。

 

支持層がより深い位置になると、「柱状改良」という補強方法になります。

柱状改良は字の通り、柱状の補強材を用います。

柱状の補強材で建物の基礎を支えることにより、建物の重さを支持層まで伝える役割を担います。

柱状の補強材はいろいろな種類があり、その素材によって補強できる深さや特徴が異なります。

住宅の場合であれば、「湿式柱状改良」や「鋼管杭」等がよく使われているのではないでしょうか。

「湿式柱状改良」は、地面に大きなドリルで穴をあけ、その穴にセメントミルク(セメントと水を混ぜたもの)を流し込み、セメントの柱をつくる工法です。

 

建物を支えるセメントの柱は直径50~60cm程度ですので当然1本だけではなく、1棟あたり何十本もつくることになります。

支持層が地表から6~8メートルくらいまでの位置にある時には多く採用されている様に思います。

 

「鋼管杭」は鋼製の杭を地中に打ち込んで、建物を支える工法です。

 

湿式柱状改良と同様に、1棟の建物に多数の鋼管杭を打ち込むことになります。

鋼管杭を溶接することにより、かなりの深さまで補強をすることができますので、湿式柱状改良では対応しきれない様な地盤に採用されることが多いです

補強費用は、補強する深さや周辺の条件にもよって変わってきますが、大まかな目安としては、

表層改良<湿式柱状改良<鋼管杭

という順番かと思います。

その他、砕石を柱状にして建物を支える「砕石パイル」という工法もあります。

 

 

砕石パイルは、セメントなどを使わない為環境にも優しく、液状化現象を抑える効果もありますので、液状化が懸念される地盤(地下水位が高い砂質層)にはよく採用されているのではないでしょうか。

このように地盤改良にはいろいろな種類がありますが、地盤に適した補強方法を選択して、費用対効果を高めたいですね。

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