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『外側から考える』ということ

2015.05.07

先日、とあるセミナーで『建物を外側から考える』というテーマのお話がありました。

建物の『外側』と『内側』。

これは建物の外観や内装という意味ではありません。

まず「内側」というのは、『住む人を中心に建物を考える』ということです。

(私はそのように解釈をしました。)

当然ですが、クライアント側が考えている建物の要望は建物の「内側」からの要素であることが大半で、こういうスペースが欲しい、天井は高くしたい、収納を多く設けたい、地震に強い家にしたい、四角い家にしたい等々、さまざまな希望・要望があります。

ただ、この内側の要素ばかりで設計を進めてしまうと、何となく「一人よがり」の建物ができてしまいそうな感じがしませんか?

住む人は要望通りの建物で満足かもしれませんが、例えば建物の高さや窓の位置・サイズなど、周りに住む人が不満に思う要素も考えられます。

そこで、『外側から考える』です。

「外側」というのは、『建物(敷地)を取り巻く周辺環境から建物を考える』ことです。

隣のからの見え方はどうか、周りの風景の見え方はどうなるか、隣・周辺の敷地・建物からの影響はあるか、風の通りはどうか、雨の影響はあるか、陽の入り方はどうか、周辺の建物の大きさ・形状はどの様になっているか等々、『この場所だからこの建物になる』という考え方です。

隣の建物を考慮して窓の大きさや配置を決めたり、敷地から見える風景を考慮してプランを検討したり、周辺の街並み・環境に溶け込む様に外観を考えたりと、外側の要素を取り入れる事で、より気持ちの良い建物ができる気がしてきますよね。

クライアントからの要望を盛り込みつつ設計者が外側から考えることで、周辺環境を考慮した要素も取り入れる。

とても大切な事ですね。

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